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偶然のいたずらだろうか、ペットロスという言葉を知ったのは、愛犬が深い眠りについた翌日の朝刊の記事だった。

16年前に、捨てられていた子を家族に迎えたことから始まる。

思い出すのは楽しいことばかり。

車のエンジン音を聞き分け、近所の角を曲がると座って待っていてくれたこと。

手におやつを持っていようものなら、ちぎれるのではないかと思うくらいブンブンと尻尾をふっていたこと。

油断して転んでしまうと、そのまま引きづられてしまう力強い散歩だったこと。

知らない人には、激しく吠える頼りになる番犬だったこと。

定期的に防災スピーカーから流れる曲に、歌っているかのようにいつも同じリズムで遠吠えすること。

携帯電話を奪われ、埋められたこと。

 

それが、すっかりおじいちゃんになり、全て出来なくなってしまった。

「どうして、僕は以前のように動くことができないの?」

とでも訴えるのかのように、弱々しく吠える事がある。

そのたびに、愛犬がしたいことを手助けする。

 

介護期間は半年と短かった。

その間に、覚悟は出来ていたつもりだ。

穏やかな表情で眠るような愛犬の姿に、感謝の気持ちでいっぱいになった。

「今までありがとう」

 

 

 

朝の挨拶から始まり、散歩や遊びの時間。

16年間、行ってきた日課ともいえる行動が、急に出来なくなった。

変わりに何かをするわけでもなく空白の時間となる。

愛犬のいない犬小屋をぼーっと眺めたり、

愛犬の名前を呼んでみたり

原因は分からないが、愛犬との別れと同時に、蕁麻疹が出るようになった。

急に無気力になったり、眠れない夜も

自分でも不安定なのがわかる。

 

 

ペットロスとは、文字通りペットを失うことです。

ペットとの死別が原因で、精神的、身体的障害が発症することをペットロス症候群と呼び長期にわたりストレスを感じ続け、気持ちを切り替え出来ない方もいるようです。

ペットを飼っていない方から見れは「たかが犬」。

こうした悲しみを理解してくれない方の言動も、強いストレスになります。

感情を外に出せればよいのですが、それが苦手な方は、ストレスをためこみ立ち直ることが困難になる場合もあるようです。

 

私の場合、介護を通じて心の準備をしてきたつもりです。

穏やかに、眠るように、天寿を全うしたことも幸いと思っています。

なにより嬉しかったのが、近所の方に沢山、声をかけていただいたこと、共感いただけたことがが励みになりました。

悲しみも、素直に出すことができました。

涙がでるなら、気が済むまで泣けばいい。

すぐには、気持ちが切り替わりませんが、時間が解決してくれるはずです。

そう思って、がんばっています