いが~いが~ 旨い!朝いか イカ刺しを食べる
7月の早朝
「いがぁ~いがぁ~」
市場で、水揚げされたばかりの新鮮なイカを仕入れ、そのまま顧客の住む街を行商する軽トラック。 スピーカーから流れる演歌をバックミュージックに「いが~いが~」を連呼。
早朝、地元ではお馴染みの光景。
まだ、遠くで聞こえてきた声が、徐々に近づくと道路脇まで出向き、いか売りの業者を手招きする。 すると手招きに気付いた業者の軽トラックが少しスピードを上げ、近づいてくる。
購入したイカは、もちろん刺身でいただく。 鮮度が良い水揚げされたばかりのイカは、「朝いか」と呼ばれ烏賊好きにはたまらないご馳走だ。
透明感があり、身はコリコリと硬い。
少し細めに切った刺身に生姜醤油をつけ口に運ぶ。(イカ刺しには、ワサビではなく生姜です)
「旨い」
この一言に尽きる。
都会からこの地にお嫁にきた知人。
「いがぁ~いがぁ~」
当時、何を言っているのか分からなかったと笑いながら話してくれた。
文字で書けば、「いがぁ~いがぁ~」なのだが、実際には何とも言えない独特な発声。
初めて聞いた方には理解できないのもうなずける。
しかも、この「いがぁ~いがぁ~」は、行商さんの個性がある。
それは、聞いただけで○○さんが来たと分かるというものでなかなかおもしろい。
ちなみに、美味しいイカの刺身(通称:イカ刺し)の作り方をご存知ですか?
まずは、当然ですが素材吟味。
透明なものは鮮度も良く歯ごたえもありますが、旨味成分は透明度が薄れて白くなったものの方が多いです。 これは、時間がたつことによって、成分が増えたということです。
簡単にいうと、肉や果実でいう熟した状態とでも言えば良いのでしょうか?
では、旨味成分の多い白いものが良いのかというとそうではありません。
歯ごたえも大事なのです。
ということで、透明度のある鮮度の良いものを選んでください。
もうひとつ大事なのは、切り方です。
皮をむいた身を上下に2分します。(大きなものなら3分。いか刺しの長さをきめる)
そして縦方向に切り分けます。
こうすることにより、イカの繊維を切ります。繊維を切ることで噛んだ時に旨みがじわっとでてくるので旨みと歯ごたえを楽しむことができます。
ちょっとした技です。
薬味は生姜をおすすめします。
イカの水揚げがある町でないと、食べることは難しです。
朝いかのシーズンに函館観光にお越しの際は、是非、朝イカの刺身をご堪能ください。
いかめし発祥の地、森町 イカの街の風物詩、イカ行商の話でした。